昨日、シティグループの四半期決算が発表され、アナリスト予想よりも赤字幅は大きかったものの、証券化商品の評価損が頭打ちになってきたことや9,000人規模の人員削減を好感されて株価は上昇しました。 シティグループの株価のみならず全般的に買われる展開となり、NYダウの終値は今年に入ってからの上値抵抗線であった12,750ドルを突破して、年初の水準まで戻してきています。

又、ひとまず証券化商品の評価損の拡大が落ち着いてきたことが好感されて、ドルも急速に買われて1ドル104円台後半まで進む場面も見られました。 ただ、ドル円で見ると今年の1〜2月での揉み合いとなった105.50〜108.50の所が抵抗線になることが予想されますので、ここを突破しない限りは円高傾向に歯止めがかかったとは言いにくいものがあります。

あとは、米国国内の消費拡大なのですが、こちらの方は期待薄と言って良いでしょう。 既に景気後退局面に入っている中での一時的な税の還付(5月中旬に実施されます)は、直接消費に結びつくものではないとの見方もありますし、一般のローンやクレジットの延滞率が上昇していると言うこともあります。 また、一番問題になっている住宅価格の下落に歯止めがかかったわけではないと言うことと、これから秋にかけてがサブプライムローンにより住宅差し押さえの危機に遭遇する人が増えると言われていますので、根本的には何も解決されてないと見て良いでしょう。
これらの問題をブッシュ政権が具体的政策を出して対応できるのかどうかが、問題の早期解決の鍵になると思われます。 従って、ここの対応が遅れている限りは「弱い米ドル」の状況には変わりが無く、円高ドル安の傾向に歯止めがかかったと判断するのは早計であると言えるでしょう。