ここ数日、新聞などで報道されているので御存知の方も多いかと思いますが、ネット専業銀行のイーバンク銀行が自身の運用においてサブプライム関連を含んだ証券での運用を行っていて、100億円を超える赤字を計上したとの事。 その影響をもろに受けたのが利用者で、昨年末に入出金を問わず一定回数以上ATMを利用した場合には手数料を取られるという事になったわけである。
このニュース、要するにイーバンク銀行の当初のビジネスモデルに無理があったか、黒字化を急ぐために高リスク商品(とは言ってもAAA格の商品だけど)に手を出してしまったか、どっちかなんでしょうね。 どうも、他のネット専業銀行がこのような事態を招いていない事を鑑みるに、当初のビジネスモデルに無理があったと見るのが妥当な線でしょうね。 当初のビジネスモデルに無理があり、黒字化が難航していたので高リスク商品に手を出してしまったという、ちょっと危険なパターンに嵌ってしまっているような気がします。
イーバンク銀行は巨額の損失を被っている欧米の金融機関のように、増資を行い経営の安定化を図る模様ですが、行く末に関して当面は目を離せない状況であると言っても良いでしょう。 もし、ネット専業銀行の中でイーバンク銀行をメインに利用されている方がいらっしゃったら、資金の分散を考えた方が良いかもしれません。
これは、別に地方銀行などにも言える事なのですが、「1千万円まで保証があるから大丈夫」と思っていても、即座に手元に入るわけではありませんから資金の流動性を落としてしまいます。 メインの口座という事は、それなりの割合を集中して預けているという事ですので、資金の流動性が悪化すると日常生活に影響が出る場面もあり得るでしょう。 特に、給与受取口座に指定している場合には、生活に直接的に影響が出てきてしまいます。
もちろん、給与受取口座に指定しておく事による弊害は、分散して預金していれば回避できる事なので「即座に解約」とか「即座に変更」とかはしなくても良いのですが、分散して預金していない場合には「何らかの方法」を検討しても良い局面に入ったと言っても良いのではないでしょうか。
サブプライム関連の証券化商品は流動性が事実上停止している状態ですので、このままだと評価額が下落する一方です。 イーバンク銀行の赤字も現状レベルで収まるものとは到底思えません。 緊急を要するものではありませんので、慌てふためいて行動する必要はありませんし、全額引き出すような事はしなくても大丈夫ですが、これを機会に投資と同様に考えて資金の分散を検討してみましょう。
ちなみに私は、ネット専業銀行3社に口座を開設していて、用途に応じて使い分けています。 もちろん、その中にはイーバンク銀行もありますが、資金の分散は充分なので特別な対応を取る予定はありません。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- お知らせ2024/10/02臨時休業のお知らせ
- 情報システム関連2024/08/07「中小企業の情報システム担当者不足をどう解決する?」ウェビナー動画公開
- お知らせ2024/07/29夏季休業のお知らせ
- お知らせ2024/07/16情報セキュリティメールマガジン7月号発行中止のお知らせ