何だか世の中では「家庭のバランスシート」というモノが流行っているようで、マネー誌やテレビなんかで取り上げられたりしています。 FPにとっては特別なモノではなく、家計診断などを行うときには必須項目みたいなもんですから、今さら的なものなのですが...
で、流行るのは良いんですけど、ブログなんかに掲載している方々のモノを目にすると「あれ?間違ってるよ」って言うモノが多いんですよ。 一番多いのは、資産の項目に自宅や自家用車などを含めずに「負債が多い!」って騒いでいるモノ。 まぁ、これなんかは「負債が多い!」って騒いで反省し、負債の圧縮を図ろうとするのであれば、勘違いが功を奏するという意味では可愛いもんなんですけどね。
次に多いのは、資産の項目に自宅とか自家用車を含めるのは良いんだけど、購入価格で掲載しているモノ。 これは、実際以上に資産の部が増えてしまうので大変まずい結果となるんじゃないかと思われ... 資産が多いので安心して浪費していると、後々家計が火の車にならないとも限らないわけで、勘違いが大変な事態を生じる恐れがありますねぇ。
次に多いのは、資産の項目に有価証券(投資信託や株など)を含めるのは良いんだけど、先ほどと同じように購入時の価格で掲載してしまうモノ。 これなんかは、よほどの資産家でない限りは金額的にも多くないので、大した影響はないのですが、間違っているのには違いない。
さぁ、みなさん。 自分で作るときは慎重に、かつ、正確に作りましょうね。 資産は全て時価で掲載しなければ意味がありませんので、時価を求めなくてはなりません。 有価証券の類は簡単なんですけど、自宅とか自家用車はチョットだけ面倒です。
自家用車の場合は、ネットで買い取り価格を見積もれるサイトがありますから、そういったところを利用して弾き出しましょう。 まぁ、実際に買い取って貰うときには、そこで計算される価格よりも下がると考えた方が良いので、無事故であれば一割くらいは差っ引いておいた方が確実かもしれません。 まぁ、超高級車でもない限りは「それほどの差は出ない」ので、出てきた数字そのままでも良いでしょう。
自宅の場合は、近隣で売りに出ている物件から弾き出すのが簡単です。 だいたい、同年代の建物で、面積的にも類似していれば、その数字をそのまま使っても差し支えないのではないかと思います。 より正確さを求めるのであれば不動産屋さんへ足を運んで見積もって貰うという手がありますが、売る気がないのにそこまでするのも不動産屋さんにとって迷惑なだけですので、程ほどにしましょう。
基本的にはそうやって、色んな数字を弾き出した上で作成するのがバランスシートになります。 でも、バランスシート単体では「あ〜、資産よりも負債が多いんだ」程度の認識しかできません。 現実にはキャッシュフロー表と言うモノを作成する必要があります。 これは、毎年の収入と支出のバランスを見るためのモノで、だいたい70〜80歳くらいまでの表を作成すると良いでしょう。 そうすると、どこで赤字に転落して、最大でどこまで赤字になるのかという事が判ります。
え? 赤字にならない自信がある? では、作ってみて下さい。 持ち家がある場合には、建物のメンテナンス費用なんかも考えなくてはなりませんし、子供の成長に応じて学費などを計上していかなければなりません。 そうすると...おそらく、殆どの人が退職までに一度は赤字になるか、退職後の余生を毎年赤字で過ごさなければならなくなります。
赤字になる事が判れば、何か支出を減らして赤字にならないような工夫をする必要があります。 ファイナンシャルプランナーはそういった事をトータルで考えて、家計の見直しを提案していきます。 バランスシートやキャッシュフロー表を作成して貰えば判るのですが、これは大変な労力が必要になります。 なので、提案書は数万円の費用を頂く事になるんですね。 もちろん、その提案書の中には改善案と、その案を実行したときのキャッシュフロー表も含まれます。
一見、非常に高価に見えるファイナンシャルプランナーの提案書ですが、家計の見直しを行えば「あっと言う間に」元が取れるくらいに改善されます。 ぜひ一度、ファイナンシャルプランナーに相談して提案書を作成して貰ってみて下さい。 できれば、セカンドオピニオンではないですが複数のファイナンシャルプランナーに相談して見る事をオススメいたします。