今日の日本経済新聞に、ファイナンシャルプランナーの読みとして「現在は為替・株ともに買い時である」との記事が掲載されていた。 しかし、本当に買い時なのだろうか?
少なくとも、ドル円に関しては下落トレンドは変わっておらず、また米国のFF金利の低下は一層のドル安を招く可能性が高い。 サブプライムローン問題は既に解決に向かっているのだという見方もあるようであるが、同時にリセッション(景気後退)入りしているのは疑いのない事実であり、現状ではスタグフレーション(景気後退局面での価格高騰)発生の可能性は否定できず、ドル高要因が見られないところである。
また、日本国内を見ても海外資源価格の高騰に伴って、円高の恩恵を受けられる状況ではなく、ただただ輸出企業が痛手を受けるだけという状況にある。 恩恵なき円高は、日本の経済を後退させるだけであり、決して良い状況でない事は明らかだ。 そんな中で、株価が上昇する期待はもてないのではないだろうか。
そうして見ると、今は決して買い時ではない事が判ると思う。 著名なファイナンシャルプランナー(殆どの方は1級とかCFPとかの上級資格を持っておられる)の中には、根拠なく買い煽りをする方も少なくない。 そういった、誤った情報に振り回されないように気をつける必要があるであろう。
為替の数字や株価の数字だけを追うのではなく、その背景を経済誌から読み解く力を付けておかないと、誤った情報に振り回されやすくなる。 そういった意味で、真の金融リテラシーを身に付けるには良い機会ではないだろうか。 残念な事に「お金の専門家」であるファイナンシャルプランナーの中にも金融リテラシーに乏しい人が多い。 そういった人たちの誤った情報に振り回されないようにしましょう。
最後にもう一度言います。 今は「決して」買い時ではありません。