以前、どこかのエントリーで書いたと思うのですが、家計のバランスシートの記載に関して間違った知識で作成し、ブログ上で公開されている方がいらっしゃいます。 内容的には「本来資産に入るべき自宅とか自家用車などが、どこにも入っていない」というものでした。
あまりにも酷いので、注意のコメントを付けて差し上げたのですが、その方曰く「自分はロバート キヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん 』を読んで、そこに書かれている通りにしているだけだ」との事でした。 でも、資産にも負債にも入らないなんて変な話なので、今さらながら『金持ち父さん貧乏父さん 』を買って、とりあえず斜め読みをしてみました。
やっぱり!
彼は、読み間違いをしているようなのです。 基本的にロバート キヨサキの書いている本は米国の事を書いているので、そのまま日本では適用できないし、投資本ですので見方も(良い意味で)偏っている本なのです。 そこに書かれている内容をかいつまんで説明すると、「お金を生まない資産は資産でなく負債である。 資産とはお金を生むものなのだ。 家などは固定資産税や維持費など、お金が出ていくだけで入ってくる事はない。 だから負債なのである。」という事でした。 なので、その本にも書かれているのですが、自宅はバランスシート上では「資産」の項目ではなく「負債」の項目に記載しています。
せっかくの良本なのに、読み手のリテラシーが書籍のレベルに達していないために、読み間違いをしてしまっているという例でした。 件の彼は「唯我独尊」タイプらしいので、それ以上ツッコミを入れるのは止めておきましたが、大変残念な事だと思います。
あと、彼は別の本にも感化されていて、住宅ローンの返済に躍起になっているのもブログから見て取れました。 年代的には30代後半だそうですが、資産運用は殆どせずにローンの返済に集中しているようでした。 もちろん、負債の圧縮という意味ではローンの返済は大変重要な事ですが、過度に偏重すると将来的に資産の運用が厳しくなります。
老後に向けた資産運用は、若いウチから進めていった方が良いとされています。 それは、運用期間が長くなればなるほど運用利率を下げて運用できるからなんですね。 同じ資金があって、目標金額も同じだと仮定すればカンタンなんですが、短期間で運用すると、どうしてもリスクを大きく取らないと目標金額に到達できなくなります。 長期間であれば複利効果も活きてきて低リスクで運用できるんですね。
なので、今のような低金利時代に発生させた負債は、無理に急いで返済しても金利分の圧縮効果は薄くなりますし、特に元本残高が少ない場合には顕著になりますので、無理に負債の圧縮を図ろうとせず、貯蓄の一部を運用にまわした方が将来的にはメリットが大きい事が多いです。
最近、テレビ番組などでファイナンシャルプランナーが出演して説明をする事が多くなってきていいますが、出演時間が短時間という事もあり、僅かなエッセンス程度しか話をできていないのが実情です。 しかしながら、テレビの影響力は大きくて、番組を見た方は「自分が全てを知った」かのように振る舞う例が多いです。 結果、誤った行動に出る事が多くなっているように思えるのです。 先のブログの彼も全くそうであって、本人は「自分は勉強しているから何でも知っている」と思っていらっしゃるようなのですが、残念ながら金融リテラシーはゼロに近いんですね。
書籍とかテレビ・ラジオ番組とかウェブサイトとかで得られる知識を自己活用するためには、本当に高いリテラシーが求められます。 自分では「どの程度のレベル」なのかは、なかなか判らないところですので、生半可な知識で突っ走ることなく、専門家に意見を求めた方が良いと思います。
ファイナンシャルプランナーはお金に関する専門家ですので、当然のことながら金融リテラシーの高い人たちばかりです。 相談料はそれなりにかかりますが、実際には相談料以上のメリットを享受できる事が殆どですので、一度相談される事をオススメいたします。 セミナーなどの活用も重要ですが、一番メリットが大きいのは個人相談ですので、相談してみてはいかがでしょうか。
当事務所ではインターネットの仕組みを使った相談という事で、特別に1回4,200円という格安で相談業務を提供しています。 一度、上部メニューの「有料相談」のところから、御相談をお寄せいただければと思います。 また、エッセンス程度の回答にはなりますが、無料相談も受け付けておりますので、お気軽にお寄せ下さい。
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