「ユーチューブで2時間接続障害 パキスタンの規制原因か」(asahi.com)
インターネットというのは、様々なネットワークが相互に接続することで成り立っている。 従って、基本的には最短距離で到達するものの、日本の自宅から日本にサーバーのあるウェブサイトを見に行ったときに、日本から出て他の国を経由することは理論的にありうる話だ。 残念なことに、インターネットを生業としている人たちの中に「一直線で繋がる」と勘違いしている人が非常に多く見受けられるのだが、そういった人たちに出会ったら、その人に仕事を依頼するのを止めた方が良い。 というくらい、インターネットの基本中の基本の話である。
それを裏付けるかのような話が、上記のニュースである。 もし仮に、一直線に繋がっているのであればパキスタン以外の国に住んでいる人たちは「全く影響を受けない」ハズである。 しかしながら、今回の例では接続障害が全世界に広まったそうな。 記事によると日本国内では接続障害の情報はないとのことだが、それは日米間に非常に太いネットワークが存在しているためにパキスタンを経由しない(もしくは影響を受けたネットワークを介在しない)で接続できたためではないだろうか。
それにしても面白いのは、アジアの小国がネットワークを遮断(たぶんL3SWでフィルタ)したが為に、影響が世界に及ぶという現象が発生したという事実である。 この事象は、逆に言うとIX(インターネットエクスチェンジ=交換機みたいなもの)レベルで遮断すれば、サイバーテロを一時的に発生させることが十分可能であることを意味している。 しかも、世界同時多発的に遮断すれば、影響はそれなりに長時間に及ぶことだろう。
ちなみに、2時間程度の障害が発生したというのは、おそらくネットワークの経路(変更)情報が伝達するのに、そのくらいの時間がかかったと言うことだろうと思う。 それにしても、非常に興味あるニュースだ。 続報を期待したい。