今年に入ってから、ファイナンシャルプランナーさん達が投資信託商品に関して記事を書いたりすると、必ず出てくるのが「コモディティ投信を買うべき」という言葉である。 それは何故かというと、他の多くの種類の投信が下落している中で順調な成績を収めているからである。
でもね、チョット待って下さい!
順調に来ていると言う事は、そろそろ高値圏に達している可能性も否定できないわけですよ。 世界的に穀物価格や原油価格の高騰を問題視するようになってきているのは、多くの報道で周知の事実だと思います。 まぁ、まだ上昇する可能性を否定はしませんが、上昇の勢いが鈍ってきて調整局面に入り、反転下落というシナリオを書けなくもない状況である事は間違いのないところでしょう。
一般に投資というのは「安く買って高く売る」が基本です。 「高く買って安く売る」では損をするだけですから当然ですね。 と言う事は、既に十分な高値圏にあるものに手を出して良いものなのでしょうか? 原油は今年中に150ドルとも200ドルとも言われています。 ただ、あまりに高くなりすぎて在庫がだぶつき始めたらどうなるのでしょうか? だれでもわかる事だと思いますが、値段は徐々に下がっていきますよね。
投機資金というのは、入ってくるのも早いですが、逃げるのもメチャクチャ早いです。 昨年夏のサブプライムショックではないですが。急落という場面を迎える事だって充分ありうる話だと思います。
そう考えると、今、コモディティ投信を買うのは本当に得なのかという事を、今一度考える必要があるのではないでしょうか。 投資信託商品は基本的に長期で考えて投資する商品です。 そう考えた場合、敢えて今の高い時期に買うのが得策なのかは自分自身で考えるべきではないでしょうか。 銀行や証券会社の窓口では「今は上昇しているから買い時」と言って勧めてくるでしょう。 でも、下がらない相場はありません。 ひょっとすると、今がピークなのかもしれません。 窓口で強く勧められたら、こう聞き返してみて下さい。 「じゃぁ、あなたは買いましたか?」と。 本当にお買い得な商品ならば、人に勧める前に自分で買えば良いのです。 ファイナンシャルプランナーさん達にも聞きましょう。 「じゃぁ、あなたは買いましたよね?」
日本人は良く「高値掴みをする」人種だと言われているみたいです。 投資に関して知識が十分ではないために、ついつい上昇しているもの(かつ充分上昇したもの)に手を出しがちなんですね。 おそらく「みんなが買ったなら、ワタシも...」という意識が知らず知らずのうちに働くのでしょう。 でも、これまた相場の世界の言葉なのですが「知ったら終い」という言葉もあります。 みんなが知ってしまったときが、一番のピークだったという例えなのですが、今のコモディティ投信がまさしくその状況にあると言って良いでしょう。
だから私はコモディティ投信には今の所手を出す気はありませんし、買ってもいません。 ある程度下落して、安くなったところで購入するかどうか考えてみようと思っています。 たぶん、その頃には、ここ数ヶ月で買った人たちが狼狽売りをして投げている事でしょう。 そんな事態になっても、最近になって勧めているファイナンシャルプランナーさん達は責任を取ってはくれません。 投資は自己責任ですから...
※ 注意事項 ※
本エントリは特定の商品の購入を推奨するものでは決してありません。 また、投資信託商品に関しては元本割れリスクというものが必ずつきまといます。 あくまでも、投資は自己責任で行いますよう御願いいたします。