たぶん、最近は少なくなってきたと思いますけど、一時期は企業で使うパソコンにもオフィス(一般的にはMicrosoft Office)がプリインストールされていました。 今でも、中小企業なんかでは手間を省くためにプリインストールモデルを購入するケースが多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待って下さい!
プリインストールされている製品のライセンス条項を御覧になったことはありますか? プリインストールの場合には「原則としてプリインストールされていたマシンにライセンスが付与されている」形になっているので、パソコンの故障などでハードウェアを入れ替える場合にはソフトウェアの流用ができないのです。 ってことは、例えば購入2年目で壊れてしまって修理もきかなくなってしまったとすると、僅か2年でソフトウェアも捨てなければならないわけです。
もったいないですね〜。 MOTTAINAI!
そこで、当事務所ではプリインストールモデルの導入はお勧めいたしません。 オフィス製品はライセンスで購入されることを強く推奨いたします。 「ライセンスって高いんじゃない?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、販社さんで購入されると殆どの場合は一般商品と同様に値引きがありますので、決して高いものではありません。 「ライセンスって毎年更新する必要があるんじゃない?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、買い切りですので更新の必要はありません。
プリインストールモデルと同じ条件で考えると、パソコン本体の減価償却が終わる4〜5年目にハードウェアの更新を行われると思います。 もし、その時にまだ「持っているライセンスの商品がサポート期間内」ならば、オフィス製品はそのまま使用することが可能です。 もちろん、サポート期間外でも使えることは使えるのですが、セキュリティ対策などがなされなくなり、大変危険ですので勧められません。
だから、ライセンスの購入タイミングとハードウェアの更新タイミングを巧く調整すれば、IT関連予算の分散化が可能になります。 社員数が多ければ多いほど、IT関連の費用は膨大になります。 ましてや、ハードウェアとソフトウェアの更新が同時になれば一時に費用が集中することになり、経営上は重荷になります。
また、ライセンスでの購入をされると「ダウングレード」という事もできますので、ライセンス購入時期がばらばらであってもオフィス製品のバージョンを揃えることが可能になるのもメリットの一つです。 社内に何種類ものオフィス製品が稼働しているというのは気分的にも業務的にも良いことではありませんが、そんな問題が解決できます。
管理するメディアやライセンスキーの管理が容易になるのもメリットの一つでしょう。 情報システム部門というのは、どこの会社に於いても企業としての主たる業務を行っている部署ではないため、あまり人的資源を割いて貰えません。 そんな、少数精鋭で業務を遂行しなければならない以上は、余計な手間は省きたいものです。 ライセンスの購入で管理を一元化すれば、業務負担の軽減にもなります。
そう考えてみるとメリットは大きそうですね。
ここまで読んでも御社はプリインストールを選択しますか?