詐欺系のサイバー攻撃というのは一般的に人間の心理的な隙を突いてきます。例えば、強烈な煽り文句で心理的不安を煽り詐欺サイトに誘導するとか、大音量で不安を煽るようなメッセージを流しリモート操作プログラムを導入させるとか。なので、ネット系詐欺に引っ掛かり多額の金銭を取られたとか、デバイスを遠隔操作されて情報を窃取されるとかの事件の報道を見ると老若男女問わず被害に遭っていることが判ります。その被害者の特徴の一つに不安を煽られると焦ってしまう、慌ててしまうという事が挙げられます。
例えば「このパソコンはウイルスに感染しました!」って突然表示されたら、皆様はどうされるでしょうか?
一般的には「LANケーブルを抜け(又はWi-FiをOFFにしろ)」と言われており、その通り実行される方が多いと思います。それは正しい行動ですが、同時に心の中で「私は何をしたのだろう?」とか「やってはいけないことをやってしまったのか?」という不安な気持ちも湧き上がってくると思います。中には、そこら辺に詳しいはずの情報システム担当者なのに冷静さを失う人もいたりします。
しかしながら「このパソコンはウイルスに感染しました!」というメッセージが出た段階で、そのメッセージの真偽を問わず「時すでに遅し」なのです。本物のウイルスであればウイルス自らそのメッセージを出しているのでしょうからウイルス的には全ての処理(情報の窃取や他端末への拡大)が終わっていますし、偽物であれば何らかの詐欺広告や改竄されたサイトがメッセージを出している状態なのです。なので慌てふためいても全く意味がないことです。そもそもウイルス対策製品が「感染しました!」なんてメッセージを出すことはないですからね。「発見して駆除しました」なら出しますけど「感染しました!」は自ら製品の無能さをアピールするようなメッセージですし(笑)
ここはお茶でも飲んで一息ついて冷静になりましょう。
だって、本物のウイルスだとしてもウイルスにとって必要な処理が終わっているので既に秒を争うような事態ではないからです。当たり前ですが「これから攻撃するぜ」って予告する攻撃者なんていないのです。だから一息ついてからLANケーブルを抜いたりWi-FiをOFFにしたりすれば良いのです。そして、そうやって心を落ち着ければ偽物に騙されることもなくなるでしょう。そもそもウイルス対策製品が不安を煽るような音声メッセージを流したりは意味がないのでしないのですし、そのメッセージが出てくる直前に何をやったのか振り返ってみればウイルスを開くような行為をしていないことが思い出されるでしょう。そして、冷静になれば自分で何かしようと思わずに、誰かに聞く心の余裕ができるでしょう。
最初に「詐欺系のサイバー攻撃」と絞り込んで書きましたが、実はサイバー攻撃に限らず詐欺は全て人間の心理的な隙を突いてきます。それがSNS経由であろうが、電話経由であろうが。もっと言えば目の前にいる人経由であってもです。その全ての局面に於いて一息ついて冷静になれば詐欺被害に遭う事態を、ある程度防ぐことができます。
儲け話をする詐欺だってそうですよね?そもそも簡単に儲かるなら他人に知らせることなく自ら実践するはずです。だって儲かるんだから。なのに他人を誘うのは、そうしないと儲からないからなのです。人を騙して金を手に入れないと儲からないから、他人を誘うのです。冷静になれば判りますよね?
ネットで来る儲け話も実際に申し込みサイトに飛ぶと高速でカウントダウンするタイマーが動いていたりしますけど、あれも嘘ですからね。ページを再読み込みしたら時間が戻りますし、ゼロになるまで待ってみると始めに戻りますから(笑)詐欺系サイトが使う常套手段なので完全に無視して問題の無いものです。単に閲覧した人を焦らせるだけの存在でしかないのです。
不安を煽るようなことを言われたら(されたら)先ずは心を落ち着けましょう。