フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)のイメージがあるのか、かなり古いスマートフォンを使っている方を見かけることがあるのですが、実はスマートフォンには寿命があります。なので、昔のように「壊れるまで何年でも使う」が出来ない場合があります。最近気になっているのは会社で購入して社員に貸与する携帯電話ですね。そちらもスマートフォンが主流になっているかと思いますが、経営者って往々にして「壊れるまで買い換えない」という思考に陥りがちだったりしますし、中小企業だとそれが顕著になります。パソコンですら「これで業務をするのは流石に無理でしょう」というようなレベルのパソコンを長期に渡って使い続けさせられている例を見ますから。

しかしながら、パソコンもOSのサポートが切れたら「セキュリティ的に使ってはいけない」という事が徐々に理解されつつあるように、スマートフォンもOSのサポートが切れたら「セキュリティ的に使ってはいけない」のです。そして、そこが製品寿命という事になります。但し、パソコンと違うのは毎年新しいバージョンのOSが出て、そちらへの更新が出来る場合は「最新のOSへの更新が出来なくなってから2年程度」という感じで製品寿命が決まるという事です。

一般的にスマートフォンのOSのサポートは2〜3年程度ですが、OSが最新のものへ更新出来る限りはそれが伸び続けることになります。但し、最新のOSへ更新出来るのも4〜5年くらいなので、そこから2〜3年程度のセキュリティアップデートに頼っても6〜8年程度が限界という事になりますし、最近の傾向だとアプリの方が古いOSへのサポートを早めに打ち切る傾向もあったりするので、セキュリティアップデートに頼ったとしてもアプリのサポートの方が切れてしまうと言う事も発生する場合があります。その傾向はiPhoneよりもAndroid機の方が顕著であるので、製品寿命の方もAndroid機よりもiPhoneの方が長めになっています。少なくとも現状は。

ですので、社用携帯を貸与している会社ではパソコンの計画的更新と同様に、スマートフォンも計画的更新をしていく事をお勧めします。そうしないと一気に大量の社用携帯の更新が来てしまうという事態になりかねませんし、それがパソコンの方と重なってしまったら経理的に目も当てられない状況になってしまいますので。

例えば製品寿命が6年のスマートフォンの場合、初めは4年目から1/3ずつ更新していくような感じで計画を立て、一巡した段階で製品寿命ギリギリまで使い6年毎に1/3ずつ更新でも良いですし、二巡目では4年目から1/6ずつ更新していくようにして、三巡目からは毎年1/6ずつ更新していくという感じで平準化を図るのも良いかと思います。単純に考えると4〜5年のリースにして経費化してしまい平準化を最初から図るという手もありますが、リースの場合はOSのメジャーアップデートは不可という条件が付くケースもありえますので、そこら辺は契約内容との御相談になるかと思います。メジャーアップデートが不可になってしまうと製品寿命が3年程度まで短くなってしまいますので。

パソコンやスマートフォンに限った話ではないのですが、情報系機器は計画的に更新をしていくのが賢い運用の仕方と言えるでしょう。サーバー然り、ネットワーク機器然り。しかもハードウェアのみならずソフトウェアも買い切り型だと数年でサポートが切れてしまいますので、こちらも計画的更新を考えた方が良いとも言えます。