以前からあったものの、最近特に注目を浴びているのが若者による不適切な動画投稿による炎上事件です。場合によっては事件を起こした人達の人生が大きく変わってしまうこともあるほか、被害に遭った側も法的手段を取ることに躊躇しなくなっているので、周囲も含めて影響は甚大です。若者の通学先への抗議の嵐も付きものになってきていますので、事態の把握と対応を迅速に行うことが鍵になってきています。

しかしながら、何故、最近になって頻繁に炎上するようになったのでしょうか?それはSNSに於けるインフルエンサーの存在が鍵になってきています。事例を見ながら解説します。

直近に発生した東日本大震災関連の動画による炎上の場合

既に削除済みではありますが、この投稿がきっかけになって火が着き始めました。そして、学校側がお詫びを出します。

報道によると、教頭が早朝に顧問から連絡を受けて対応をした結果、比較的迅速な対応が出来たように思います。

2022年9月に発生した交通事故の動画による炎上の場合

こちらは交通事故に遭った被害者がドライブレコーダーの記録をSNSに投稿したのがきっかけではあったのですが、その時は炎上せずに、後日、先のインフルエンサーが取り上げて炎上したという事例になります。投稿した本人はアカウントを非公開にしたため、別の人が転載した投稿がこちらになります。

そして、先のインフルエンサーが投稿したのがこちらになります。

ここから事態は急展開をし、船橋屋が次々と対応をしていく事になりました。

SNSの投稿に対するリリース
社長の辞任に関するリリース
新社長就任のリリース

こちらも企業側が迅速に次々と対応したため、比較的短期に収束しています。

ベンチャー企業社員による性的加害に於ける対応ミスの場合

こちらはベンチャー企業の男性社員が女性に対して性的加害をした事件に対して、代表が謝罪をしたものの対応が不適切であったため炎上した事例になります。

その後、忘れられる形で沈静化したように見えましたが、実際には未だに注目している人がいるために、再炎上のリスクがあるままになっています。

適切な対応を出来なかった場合、鎮火したように見えても火が燻っている状態になりますので、何がきっかけで再炎上するか判らない状態になります。要するに炎上リスクが継続している状態になります。

さて、中小企業に於いて炎上事件に巻き込まれる原因としては2点考えられます。

一つは、役員もしくは従業員によるSNSへの不適切投稿。一件目の事例のパターンですね。そして、もう一つは役員もしくは従業員の不適切な対応が原因での顧客によるSNSへ投稿になります。これは二件目の事例のパターンです。いずれも企業側が対応に追われることになる為、事後は迅速な判断と対応が必要になります。ここで手こずると業務影響が大きくなります。

いずれのケースも事前に出来る対策としては役員を含む全従業員への教育という事になるのですが、現実問題としては教育をしてもリスクがゼロにはならないという課題があります。ですので、教育をしつつも事後対応が迅速に出来るように想定した訓練というのも必要になりますし、一早く情報を得るにはどうすれば良いのかという課題も出てきます。可能であれば火が着いた時点で情報を得て炎上前に鎮火することが望ましいことですので。

今までの炎上事件を見ていてもそうですが、先のインフルエンサー(滝沢ガレソ氏)の投稿がきっかけになることが多いようですし、氏に情報が集まるような流れ(いわゆるタレコミ)が出来ているのも現実ですので、滝沢ガレソ氏の投稿を注視することが重要かと思います。そして、なによりも「事後の対応を迅速に出来ように」しておくことが重要です。それは、情報セキュリティに関するあらゆる事態にも言えることです。BCP(事業継続計画)の一環としてマニュアル化し、定期的に訓練しておくべきかと考えます。

長きにわたって事業を続けていく以上、ネットでの炎上は避けて通れないものとして事前に想定していくべき項目の一つであると認識すべきですし、火種は社内での立場に関係なく全員が持っているものと認識しておくべきです。企業のトップが原因であった場合でも粛々と処理できる体制を取ることが重要です。