2021年3月22日、アイリスオーヤマが「ニューノーマルな生活様式をサポート テレワークやオンライン授業に最適なノートパソコン「LUCA Note PC」を新発売」というニュースリリースを発表しました。発売は2021年3月25日からだそうです。

値段も安い(税別で49,800円)という事で、中小企業が飛びつきそうなパソコンですけど、ちょっと待ってください!

このパソコン、業務用途には全く不向きです。

理由その1.
スペックが本当に低すぎます。CPUがCeleronのN4100(Gemini Lake)で2017年に発売になったものです。4コアとは言えクロックは1.1GHz(2.4GHz)で、世代的にはかなり古いものとなっています。また、メモリも4GBしか積んでおらず、OSでいっぱいいっぱいという印象です。SSDも64GBというのは心許ない感じがしますが、こちらは業務の仕方によって変わってくるので何とも言えません。

理由その2.
持ち歩き想定のようですが、今の時代としては厚みもあって重量も若干重めです。縦横のサイズも大きめです。

理由その3.
「WPS Office 2 ダウンロード版 Standard Edition」というオフィススイートが付いてくるみたいですが、他社とのやりとりを考えると心許ない感じがします。多くの企業はMicrosoft Officeを使っていますし、ベンチャー企業だとGoogle Workspaceを使っているところも少なくありません。となると、相互互換性の問題を排除できないのは厳しいところです。

ちなみに、弊社で1月末に購入したDellのXPS13 7390(既に廃番ですが)は税抜きで84,784円ですが、業務用途としては一般的な第10世代Core i5 1.6GHz(4.2GHz)で4コアですし、メモリは8GB、SSDは256GBとなっています。Officeは入っていませんが、Microsoft Office2019を付けたとして+3万円と言ったところです。厚みもアイリスオーヤマのものより4mmほど薄いですし、縦横のサイズも各2cmほど小さいですし、重さも100gほど(だいたいスマホ1台分ですね)軽いです。カメラは付いていないので別途必要なのは難点ですが、このくらいのスペックがあれば5年間は使えます。

アイリスオーヤマのパソコンは、2021年3月22日のWBSで社長が述べていることが報道されましたけど、5年間使うことは想定されていないようです。私の経験上から言うと、業務用途としては1年使えないかもという感じです。そう考えると、決して安いものではないことが分かります。

業務用途で安いものをお求めになるならWindowsを諦めてChromeBookを検討するのも一つの手だとは思います。

アイリスオーヤマのパソコンは文部科学省のGIGAスクール構想で定めたスペックの最低線を狙ったものですので、本当に業務用途には不向きです。ご注意ください。

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