以下に述べるのは弊社観測による独自の見解です。あらかじめ御了承ください。

多くのSNSのセミナーに参加すると必ず言われるのは「フォロワーの数を増やしてください」とか「友達の数を増やしてください」という事ですが、弊社はかねてよりこの風潮に異論を唱えてきました。私が講師をする場合には「数を集めることに特別な意味は無い」と教えてきています。それは何故かというと、「数を増やすこと」が「反応を増やすこと」には必ずしも直結しないからです。

多くのセミナーで言われる数の論理は「数を増やせば反応も増え拡散力が上がる」という考えに基づいているようですが、弊社の観測では必ずしもそうはなっていません。例えば、そのようなセミナーの講師を生業とされている方は私の10倍近い友達を持っていたりしますが、反応数を見ると私の5倍にも満たない状況であることが観測されています。彼等の理屈で言えば10倍近い反応数がなければおかしいのですが、その半分程度しか反応が得られていないのが実情です。明らかにおかしいですね。

それは何故かというと、数が多ければ多いほど投稿を見てもらえなくなると言うジレンマに陥っているからなのです。殆どのSNSのセミナーで言われることに「繋がりが重要である」というのがあります。これはSNS運営会社も公言していることで、投稿を見せる為の要素の一つとして「繋がりの深さ」があるからです。ところが、繋がっている数が多くなってくると、どうしても全ての方と平等に接することが出来なくなってきます。という事は、「繋がりの深い人」と「繋がりの浅い人」に徐々にグループ分けされていくのです。それに伴い「繋がりの薄い人」グループに入った人達には自分の投稿を見てもらえなくなり、結果として反応を得られなくなっていくのです。

それは単純に「繋がり数の多い人」個人だけが影響を受けることなのでしょうか?

実は違います。例えば私から見たときに「繋がり数の多い人」と「繋がり数の少ない人」が同じように反応してくれたとします。SNSの場合、そこから先の拡散も重要な要素の一つですが、「繋がり数の多い人」と繋がっている人からの反応は殆ど得られないのに対して、「繋がり数の少ない人」と繋がっている人からの反応はある程度得られます。それは先に述べた通り「繋がり数の多い人」は、そこから先の「繋がりの深さが浅い」為に「拡散性が落ちている」からなのです。結果として「繋がり数の多い人」は拡散性に乏しく、「繋がり数の少ない人」は拡散性に富んでいると見ることが出来ます。

多くの「数の論理を主張」するSNSのセミナーの講師の皆様は「自分の言うことを実践する為」に非常に多くの繋がりを持っていますが、結果として「自分の主張を崩してしまうデータを提供する」結果になっているのです。まぁ、彼等もそこに気付いていたら「主張の転換」をするのでしょうが、残念ながら気が付いていないので相も変わらず「数の論理」を押し通しています。

ちなみに、敢えてSNSと表現しているのは特定のSNSでのみ観測できる現象ではなく、多くのSNSで観測できる現象なので特定の名称は出していません。彼等は時代の流れに沿って推奨するSNSを変えてきていますが、どのSNSに於いても必ず同じ傾向に陥っています。

さて、この文章をご覧になった皆様は、それでも嘘の話を聞きに行きますか?