ネットワーク機器・サーバー機器というのは大量の熱を放出するものだ。 従って、それなりの空調を考えないと冷却不足となって、熱暴走などの原因になってしまう。 基本的には空調設計というものが大事という事なのだが、サーバー室の空調設計のみを考えて、サーバーラック内の空調設計を忘れがちなのが結構目に付く。
有名な大学のサーバー室とか、有名な企業のサーバー室とか、データセンターのサーバー室とか… 結構、写真で見かける事があるのだが、本当にラック内の空調設計は忘れ去られているのが殆どである。 いったい、誰(どのような会社)が設計したのか大変気になるのだが、空調設計は基本中の基本であるから忘れないで欲しいものだと思う。
何を言いたいのか?
ラックマウント型サーバーが多数実装されているラックを想像してみて下さい。 ところどころに、機器が実装されていない空間があるとしましょう。 皆さんは、この空間をどう処理されますか?
有名な大学のサーバー室とか、有名な企業のサーバー室とか、データセンターのサーバー室とかの写真を良く見て下さい。 何も処理されていないのが非常に多い事に気が付きませんか? 隙間が空きっぱなしになっているというか、ラックの後ろまで何も実装されていない、本当の空間が空いている事に気が付くと思います。
これ、エコロジー的にはアウトなんです。 サーバーの背面から放出された熱が、サーバーラックの背面板に当たって前面に戻ってきてしまうのです。 そうなると、空間的に設計した空調の冷却量では不足してしまい、より強力に冷風を当てる必要が出てきてしまうのです。 そして、一般のSI業者やメーカーなどに設計をさせると、まず間違いなく空間を空けてきてしまうのです。
実は、前の会社で自分が担当する前のサーバーラックが、そんな感じでした。 何も考えずに実装するから隙間だらけで、空調もへったくれもないという状態だったのです。 自分が担当してサーバー室を設計したときには、ラック内の実装に関しても全て自分の手で設計をして、機器間の隙間にはブランクパネルを実装するようにしました。 42Uのフルラックで3本分くらいのブランクパネルを購入して実装したのです。(ちなみにラック本数は12本) そうする事で、後方から折り返されてきた排熱が前面の吸気口に回ることなく、効率的に冷却されるので空調も当初設計(といっても、ここの部分は空調担当者に設計してもらった)通りの冷却量で充分冷却する事が可能になりました。
ブランクパネルというのは放送技術者にとっては普通に使っているもので、何ら特別なものではないのでラック設計の段階から図面上にプロットしていましたが、SI業者から出てきた図面は隙間だらけの非効率的な設計図面だったんですねぇ。 一緒に作業をしたSI業者の担当者は、以前は東京の大手町にあるデータセンターでも仕事をした事のある方だったのですが、ブランクパネルを見るのは初めてだったそうです。
意外に知られていない、単なる一枚の板であるブランクパネルですが、そんな数千円のパーツにも重要な意味がある事を忘れてはいけません。
そして、驚く事に同じ放送局でありながら系列27社の中で、サーバーラックにブランクパネルを使っていたのは僕が籍を置いた局だけだったという笑えない実話もあります。 大きな放送局では放送技術を経験せず情報システム一筋という人が取り扱うからブランクパネルというものを知らない。 小さな放送局ではSI業者に丸投げするからブランクパネルというものを知らないということなんですね。
サーバー室のエコ。 僅かな金額のパーツですが、効果は絶大です。 投下費用の回収は、あっと言う間にできてしまうのではないでしょうか。 是非、使っていただきたいパーツの一つです。 見栄えも良くなりますしね。
<参考までに写真を…>
  機器のないところは全てブランクパネルで閉じられています。